『リアリティ・フラクチャー』ドラフト:パック1からパック3まで、迷ったときの目安

データ時点 2026年9月29日〜10月6日(プレミア・ドラフト、ピック記録のみ)
この記事はこの期間のデータにもとづく、その時点の分析です。環境の変化にあわせて、新しい時点の記事を別に出します。
ドラフトは3パックを取り終えて、デッキを組むまで完成しません。パック1で何を数えて色を考えるか、パック1を取り終えた時点でどこまで絞るか、パック2で色を変えるか、パック3で何を足すか。MTGアリーナのプレミア・ドラフト31,144回のピック記録から、判断する順番に目安をまとめました。
この環境をざっくりまとめると、
- パック1:色の空き具合は5〜8手目で読む。色ごとに、その色の単色コモン・アンコモンが何枚残っているかを数える
- パック1を取り終えたとき:まだ2色に絞れていなくても大きな差はない。上位2色の「使えるカード」が5枚以上なら、その2色で進めてよい
- パック2:ここで2色を決める。パック2までに決めた人の勝率は50.0〜50.9%、パック3以降までずれ込んだ人は48.5〜48.7%。新しい色が流れてきても、移った人の勝率は上がっていない
- パック3:色を変えても勝率は変わらない。デッキの穴を埋めて仕上げる。クリーチャーは13体前後で十分で、11体以下のデッキは53.8%、17体以上は47.4%。土地は削りすぎない
パック1を取り終えたとき以降の数字は、デッキに入ったレア・神話レアの枚数をそろえて比べています。レアを多く引けたかどうかでは説明できない傾向です。
パック1:何を数えて色を考えるか
1〜3手目:色はまだ決まらない
パック1の1手目に取ったカードの色が最終的なデッキの2色に入った割合は75.4%で、4〜8手目のカード(74.9〜76.4%)と同じです。1〜3手目は色を決めるピックではありません。2〜4手目のパックに何が残っているかも、上流(自分にパックを渡してくる側)の色の手がかりにはほとんどなりません。
5〜8手目:色ごとに「何枚残っているか」を数える
色の空き具合を読むなら5〜8手目です。この4パックで、色ごとに、その色の単色コモン・アンコモンが何枚残っていたかを数えます。良いカードが1枚残っていたかより、その色がまとまって残っていたかを見ます。
色ごとに、単色コモン・アンコモンを早く取られる順に並べた上位15種を「主力カード」と呼びます。5〜8手目に見えた主力カードの枚数と、その後その色が流れてきた量(平均=1.00倍)は、
- 0枚:0.90倍
- 1枚:0.98倍
- 2枚:1.06倍
- 3枚:1.11倍
- 4枚以上:1.19倍
です。3枚以上見えた色は「空いている側」、0枚の色は「詰まっている側」です。
平均は1パックあたり0.49枚。0枚なら7パックで3.1枚、1枚なら7パックで3.4枚、2枚なら7パックで3.7枚、3枚なら7パックで3.9枚、4枚以上なら7パックで4.2枚
《最後の喘ぎ》が7手目に残っていた、のような1枚は、主力カード1〜2枚分として数えます。
迷ったときの1枚:5〜8手目に残っていたら取りたいカード
他の色の単色コモン・アンコモンと同じパックにあったとき先に取られることが多く、遅くまで残っていればその色が空いている手がかりにもなるカードを、色ごとに4枚挙げました。
白
青
黒
赤
- 白:《癒し手としての歩み》、《汝の宿命の終焉》、《予言されし終焉》、《記憶の罠》(白のコモンで一番先に取られる)
- 青:《準備万端な計画》、《精神追いの眼》(コモンで一番先に取られる)、《精神を刻む者としての歩み》、《名探偵、プロフト》
- 黒:《ゼロ乗算》、《重圧による崩壊》、《欠席の延長》、《最後の喘ぎ》
- 赤:《炎と灰のキオーラ》(単色コモン・アンコモンで1位)、《暴力的なこだま》、《大音響のフォルテ》、《入場不可》
- 緑:《野生語りとしての歩み》、《魂木の造り手》、《道を知る者、フブルスプ》、《常に友と、ジアン・ヤングー》。緑はコモンが上位に入りません
どれも平均2.6〜4.8手目に取られるカードです。ランク帯(ダイヤモンド・ミシック、プラチナ、ゴールド以下)で分けても順番はほとんど変わりません。
レアと同じパックにあったときに半分以上取られていた単色コモン・アンコモンは6枚で、すべてアンコモンです(《炎と灰のキオーラ》63%など)。コモンで一番高い《精神追いの眼》は49.9%、各パックの2手目以降に限ると61%です。
色を変えるか:シグナルを見ないまま移らない
1〜3手目に取っていない色へ、5〜8手目にその色の主力カードを0枚しか見ないまま移った人は、移らなかった人より勝率が1.9ポイント低くなっています。2枚以上見ていれば、移っても移らなくても勝率はほぼ同じです。
パック1を取り終えたとき:まだ2色に絞れていなくても大きな差はない
パック1を取り終えた時点で、取った色つきのカードを色ごとに数えて上位2色を決め、3番目の色との枚数の差で分けると、
- 差0枚:勝率49.5%、その2色のまま最後まで行ったのは38.8%
- 1枚:49.5%、58.2%
- 2枚:50.3%、75.3%
- 3枚:50.1%、86.8%
- 4枚以上:51.5%、94.5%
です。パック1のうちに無理に2色を決める必要はありません。
もう一つの目安は、上位2色の「使えるカード」(平均7手目までに取られるカード)の枚数です。
- 3枚以下:勝率47.8%、その2色のまま最後まで行ったのは56.0%
- 4枚:48.9%、67.8%
- 5枚:50.8%、74.5%
- 6枚:51.8%、79.7%
- 7枚:53.2%、83.7%
- 8枚以上:53.8%、89.5%
5枚以上あれば、その2色で進めてよい形です。3枚以下なら、パック2でまだ動く余地を残しておきます。レア・神話レアを除いて数えても、同じように勝率が上がります。
上位2色と3番目の色の枚数の差(色つきのカードを色ごとに数える。0枚=上位2色に並ぶ色がある)
上位2色の「使えるカード」(平均7手目までに取られるカード)の枚数
勝率はデッキに入ったレア・神話レアの枚数をそろえた値。右に伸びる緑は全体平均(50.2%)より高い
パック2:2色を決める
パック2の終わりまでに決める
取ったカードの枚数で最終的な2色がほかのどの色より多くなり、以後変わらなかった時期ごとの勝率は、
- パック1の5手目まで:50.9%
- パック1の6〜14手目:50.5%
- パック2:50.0%
- パック3:48.7%
- 最後まで決まらず:48.5%
です。分かれ目はパック2の終わりです。
パック1で取り続けた色が、パック2で返ってくるとは限らない
パック2は逆回りで、2〜8手目のパックは下流(パック1で自分がパックを渡していた側)の人が開けたものです。パック1である色を取り続ければ、下流の人がその色を避けて、パック2で返ってくる、という考え方があります。
実際には、パック1でその色を1枚多く取るごとに、パック2で流れてくるその色の主力カードは7パックで0.06枚増える程度でした。自分のピックと関係のないパック3でも0.09枚増えていて、返ってくる効果は見えません。パック2で自分の色が返ってくることは当てにしないほうがいいです。
パック2で新しい色へ移っても、勝率は上がらない
パック1を取り終えた時点の上位2色に入っていない色が、パック2の2〜8手目にたくさん流れてきても、その色へ移った人の勝率は、移らなかった人を上回りませんでした(全体で0.6ポイント低い)。パック2は、パック1で形になった2色の中で強いカードを取る段階です。
パック2を取り終えたとき
上位2色の使えるカードは平均9.3枚で、8枚以下なら勝率47.8%、9〜10枚で50.4%、11〜12枚で52.4%、13枚以上で54.2〜54.3%です。上位2色と3番目の色の差が4枚以上ある人は50.8%、上位2色に並ぶ色がある人は47.6%でした。
上位2色と3番目の色の枚数の差(色つきのカードを色ごとに数える。0枚=上位2色に並ぶ色がある)
上位2色の「使えるカード」(平均7手目までに取られるカード)の枚数
勝率はデッキに入ったレア・神話レアの枚数をそろえた値。右に伸びる緑は全体平均(50.2%)より高い
パック3:デッキを仕上げる
色を変えても立て直せない
パック3で色を変えた人と変えなかった人の勝率は、パック2の終わりのプールが弱くても強くても、差がありません。パック3は色を変えて立て直す場面ではなく、デッキの穴を埋める場面です。パック3の1〜10手目のうち、平均7.5枚がメインデッキに入っています。
クリーチャーは16体以上そろえなくていい
メインデッキのクリーチャーは平均13.8体です。クリーチャーの数ごとの勝率は、
- 11体以下:53.8%
- 12体:51.7%
- 13体:50.5%
- 14体:49.4%
- 15体:49.2%
- 16体:48.6%
- 17体以上:47.4%
で、色の組み合わせごとに見ても同じ形です。差は特に青を含むデッキで大きく(11体以下55.1%、17体以上46.9%)、クリーチャーの少ないデッキには《送還》《氷の歓迎》《準備万端な計画》のような青のクリーチャー以外の呪文が入っています。パック3で頭数を16〜17体までそろえるために、弱いクリーチャーを優先して取る必要はありません。
除去の枚数より、土地を削りすぎないこと
- 除去:平均4.7枚。枚数による勝率の差ははっきりしません
- マナ総量2以下のクリーチャー:平均5.5体。多くそろえるほど勝率が上がる形ではありません
- 土地以外のカードの枚数:23枚で50.4%、24枚で50.2%、25枚以上(40枚なら土地15枚以下)は45.7%
除去(破壊・追放・ダメージ・タフネスを下げるもの・格闘)の枚数(平均4.7)
マナ総量2以下のクリーチャーの数(平均5.5)
土地以外のカードの枚数(多いほど土地が少ない)(平均23.4)
まとめ:迷ったときの進め方
- パック1の1〜4手目:色はまだ決めない。強いカードを取る
- パック1の5〜8手目:色ごとに、その色の単色コモン・アンコモンが何枚残っていたかを数える。主力カード3枚以上で「空いている側」、0枚で「詰まっている側」。迷ったら「5〜8手目に残っていたら取りたいカード」の各色4枚。0枚の色へは移らない
- パック1を取り終えたとき:2色に絞れていなくてもいい。上位2色の使えるカードが5枚以上なら、その2色で進める
- パック2:2色を決める。色が返ってくることは当てにしない。新しい色が流れてきても、それだけでは移る理由にならない(移った人の勝率は上がっていない)
- パック3:色を変えても勝率は変わらない。デッキの穴を埋めて仕上げる。クリーチャーは13体前後で十分。土地は削りすぎない(土地以外は23〜24枚)
集計方法のメモ
- データ:17Lands Public Datasets(CC BY 4.0)のピックデータを、MTGシグナルが独自に集計しました。対象は2026年9月29日〜10月6日のプレミア・ドラフト31,144回です
- パックの中身を使う集計は、各パックの2〜8手目だけを使いました(8人卓のため9手目以降は自分が見たパックが戻ってくるため)。パック1の5〜8手目の読みが当たっていたかは、同じ上流から回ってくるパック3の2〜8手目の中身で確かめています
- 主力カード:色ごとに、単色・土地以外のコモン・アンコモンを平均ピック位置が早い順に並べた上位15種。使えるカード:平均ピック位置が7手目以内の、色つき・土地以外のカード
- 勝率:ドラフトごとのマッチ勝率の平均(全体平均50.2%)。メインデッキは17Landsのデータにあるメイン採用の情報を使いました
- レア・神話レアの枚数をそろえる方法:メインに入ったレア・神話レアの枚数(0〜4枚、5枚以上)ごとに勝率を出し、全体と同じ枚数の分布になるよう重みをつけて平均しました。色を変えた人の比較は、取ったレア・神話レアの枚数でそろえています
- 除去:破壊・追放・ダメージ・タフネスを下げる修整・格闘のいずれかを含むカードを、カードの文章から判定しました
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